1998年に公開された映画「リング」から始まったとジャパニーズホラーブームですが、実はそれまでにも日本映画界には、連綿と続くホラー映画の系譜がありました。そう、それは「怪談」です。有名な「四谷怪談」や「番町皿屋敷」、「牡丹灯籠」など多くの怪談話が映画化され人々を怖がらせてきたのです。これら怪談話の怖さの根源となっていたのが「怨念」でしたが、その怨念の恐怖を現代的にアレンジして蘇らせたのが先に述べた「リング」でした。
しかしジャパニーズホラーブームは怪談復興の枠に留まらず、その後多様な作品を生み出していきます。そのためここでは「ベスト怪談映画」と「ベストジャパニーズホラー映画」を分けて紹介していきたいと思います。
ベスト怪談映画
ベスト怪談映画としては中川信夫監督作品「東海道四谷怪談」を挙げたいと思います。1959年に撮影されたこの作品は江戸後期に活躍した歌舞伎狂言作者、四代目鶴屋南北原作のなんと21度目の映画化作品になります。どれほどこの怪談話が人気があったかが伺い知れるエピソードですね。ラストシーンのまるで天女のように美しいお岩さんの姿に、少しだけ救われる気持ちになれる映画です。
ベストジャパニーズホラー映画
伽椰子という有名ホラーキャラクターを輩出した「呪怨」。古い団地に感じる不穏な雰囲気を目一杯増幅させたような映画「仄暗い水の底から」。幾つもの背筋が凍るようなジャパニーズホラー映画がありますが、それでもやはり「リング」が最初に登場したときのインパクトには敵いません。貞子という強力なキャラクターと、そして耳から離れないテーマ曲はトラウマになりかねない恐怖を見る者に確実に残していくからです。